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グレース 第6号

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【巻頭のことば】
 今の若いお母さん達は子育てに自信がない。育児書を片手に、にわとりか豚を飼育するみたいに、母乳かミルクか、とにかくなんでも吞まして置けば成長するみたいに考えている。赤ちゃんを一つの肉塊とみて、肉体が大きくなればそれが成長だと考えている伏しがある。子供を一人の人格者だと見ていないのである。
 終戦前の人々は、特別に親になるための勉強も訓練もしなかった。だが、戦前の母親達からは現在のような非行暴力を働く子供は生まれなかった。みんなすばらしい子供が育っていた。親になるために、何らかの訓練を受けなければ親になれないという今の人たちの考えをふしぎに思う。結婚したら子供が生まれて母親になるのだという自覚がない人達が多いのだということを感ずる。「生きる」ということ「子供を育てる」ということに実に熱心な人もある。訓練を受けてよくなったという人と、受けなくてもよくなっている人とに共通するものは何か、ということを考えることである。そうして導き出された共通項、それが真理なのである。母と子を考え、よいこを育てる原理について、結論を出す前に、も少し皆さんに考えてもらうことにしよう。 園頭広周

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